昨年あたりから言葉として流行り始めたFIRE。
意味としては、FIRE:Financial Independence, Retire Early、経済的な自立と早期のリタイアで早期退職後に資産運用で生活できる状態を目指すということだそうで。
個人的にはFIREに全く興味がなくて、もし自分がFIREできたとしてもそのあとの生活が退屈なんじゃないかなというのが興味のない理由です。
ただ、それはFIREについて私が知らないだけのような気もしてきたので改めて調べてみました。
もくじ
なぜ人はFIREに憧れるのか
FIREの直訳は先程の通り経済的自立と早期退職なんですが、どうやら私が想像していた「億万長者を目指すような単純にお金をためて早く会社を辞める」ということではないようです。
どういうことかというと、資産運用で生活するための資産を貯めきってから退職して悠々自適に暮らすということではなく、イメージで言うとFIREの考え方としてはベーシックインカム(政府が全国民に毎月一定額を支払うことで社会が良くなるという理論)的なポジションで考えているようです。
節約すれば生活できる金額を資産運用でまかなえるようにしておいて、定年まで会社に拘束されずに生きていく。
お金が必要になったら必要最低限の仕事だけをする、お金が必要になった時だけ働くといった働き方をすることで将来の年金不安にも対応するというのがFIREの考え方でした。
「好きなことで生きていく」との違い
コロナが流行る前にインターネット上でものすごい勢いで飛び交っていた言葉が「好きなことで生きていく」。
サラリーマンを煽るように、自宅やカフェで満員電車に揺られることなく、自分の好きな時に好きな場所で好きな仕事をしましょうよ、と色んなインフルエンサー的な方たちが掲げていました。
結局、コロナが到来しサラリーマンも在宅勤務をするようになったタイミングで見なくなってしまいましたが、「好きなことで生きていく」にホイホイ釣られてしまった若者が心配でなりません。
FIREとの違いとしては「準備」に尽きるのではないでしょうか。
何もせずとも慎ましく暮らしていけるほどの配当を得られるだけの資産と、仕事をしたい時にできるためのスキルとコネクションを会社員時代に準備しておくことでFIREにたどり着けるかと。
FIREのデメリット
ここまでFIREを持ち上げてきましたが、本当に理想の形なのでしょうか。FIREにデメリットと言うか落とし穴がありそうなので、ネカディブな方も掘り下げていきます。ポイントとしては3つありそうです。
1.FIRE後の生活が破綻する可能性
経済的自立を目指すわけですが億万長者を目指すわけではないので、節約すれば生活できる程度の配当があれば暮らしていけると考えていても、自分や家族が病気になったり、親の介護が始まったりと節約したところで生活できない可能性があります。
対策としては資産運用に回す以外の貯金を持っておくことに尽きるのですが、別の理由で予定が破綻することもあります。
それは社会的なところで、会社を辞めることで状況によっては世間とのつながりを完全に失うことにもなります。孤独に耐えられずに再就職される人もいますので、会社員を辞めて一人でもやっていけるかどうかという資質が必要かもしれません。
2.そもそも資産運用が難しい
資産運用の具体的な額としては、だいたい4%の配当を目指すとされていて、年間300万あれば生活できる人は7,500万円をまずは目標にします。
(逆に言うと7,500万あれば4%の運用で年間300万円の配当を得られます。)
ここで問題になるのが 資産運用で本当に4%の配当を得られるのかというところで、投資について事前に勉強する必要がありますし、知識があったとしても世の中の動きで資産を切り崩すケースも出てきます。
3.会社員としてのキャリアが終了する
ここは1の最後にも少し書いた社会的なつながりが消えることとリンクしますが、早期にリタイアするということは 会社員として積み上げてきたものを捨てるという意味にほかなりません。
もし孤独に耐えられず再就職をするとしても、辞めずに続けた場合に比べると当然待遇は悪くなる人の方が多いので、そこをどう考えるかです。
個人的には、会社員を辞めたとしても仕事を続けますので会社員としてのキャリアが終了したとしても、社会のつながりは続きますので孤独に感じることはありませんが、資産運用一本で行く場合は大きな問題になりえます。
FIREを得たあとは真の自己実現が待っているのか
ここまでツラツラと書いてきましたが、興味がないと思っていたFIREを私も目指していることになります。FIREでいうところのRetire Earlyを取り違えていて、仕事を早期に引退するのではなく、会社員を早期に引退するということでした。
FIREにはデメリットがありますし、会社員は会社員で、 福利厚生があったり、ローンが組みやすかったり、社会保険を会社が半分負担していたり、年間の1/3にもあたる日数が休みだったりと、会社員にもいいところがいっぱいあります。
勤め先を選べばFIREを目指す必要もないと考える人も多くいるかと思います。
FIREを目指したらそれでいいのかというとそれはそれで思考停止かと思いますので、どんな選択を選ぶにせよ、 自分自身で考えて人生を全うしたいですね。
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