いよいよ時代が変わってしまいました。
この記事の結論を言うと、「今までと同じような営業スタイルだと先が見えてしまっているので、生き残るための新しいルールを早めに理解し、ITのツールを活用してこの難局を乗り越えましょう」という話です。個人的な経験を踏まえて書きましたので、飲食店の方の参考になれば幸いです。
一旦は緊急事態宣言が解除され、だれもが開放的になり、ひとまず活気は取り戻すとは思いますが、これが続くとも考えにくく、専門家の考察によると、今後2、3年は感染が収まったり、はたまた広まったりを繰り返していくだろうということです。
国や都道府県が休業のための補助金や助成金を今は出してくれてはいますが、これがいつまで続くかも分からず、ある程度の期間がたてば、「今まで面倒見ていたのだから、その間に今後乗り越えるための準備をしてきたでしょ?」と見捨てられかねません。
飲食店は大変
新型ウイルス対策の名の下に休業命令まで出てしまい、多くの小規模飲食店は思うようにお店を開けることができず、なかなかの修羅場です。
それでも飲食店は他の業界に比べて特に補助金が出ているだろうと、周りからは冷ややかに見られがちですが、飲食店に人が来なければすぐにアウトです。しかも個人店の居酒屋さんなんかは人とお話してナンボの世界で、アルコールが提供できないのであれば店じまいを宣告されているのと同じようなことで。
逆に、マクドナルドやケンタッキーなど大手飲食店は、すでにドライブスルーやテイクアウトなど店舗内飲食以外の販売手法を確立していたので、苦労している地場の飲食店の人たちを尻目に過去最高益を達成するなど、同じ飲食店でも立場によって見える世界が変わってしまいました。
この状況で対抗策を考えるのであれば、普段の営業スタイルの仕組みを変えていく以外にありません。
他の業界はどうか
目先を変えて、サラリーマンが働く一般企業でも同じような状況が続いています。
サービス業で言うと、例えば映画館やパチンコ店など室内で楽しむような娯楽施設を運営している会社はかなりダメージを負っています。
逆に業績を延ばしているのは、自宅で楽しめるようなサービスを提供している会社。スマホアプリを開発している会社やゲーム会社などは絶好調ですね。
今後もインドアで個人的に楽しめるものは伸びていきますし、店舗型のお店は厳しそうです。
スポーツでも同様で、フィットネスジムやフットサルなど、室内で汗をかいて楽しむものは厳しくて、ランニングや自転車など屋外で一人でも楽しめるものがどんどん伸びてきています。
フィットネスジムは厳しいですが、自宅で筋トレを行うための器具はものすごく売れていますね。
スポーツ系で絶好調なのはキャンプ場と聞きます。元々感染症問題が発生する前からブームがきていたところに、このような状況で家族連れが大挙して押し寄せているそうです。
鍵はIT化
もちろん、このまま終わるわけにもいきませんので、どの会社も知恵を絞って対策を考えています。
例えば、海外旅行者向けに現地で使えるwifiルータをレンタルしていた会社は、誰も海外に行かなくなってしまい業績が急激に悪化しました。
そこで、wifiルータを別利用するといった方向で考えることをやめ、PCR検査キットを販売する事業を立ち上げました。着手するタイミングが早く、wifiルータ事業のマイナスを大幅に超える売上を叩き出しています。
全く違う業界でなぜこんなにも成功したのかというと、ポイントはビジネスモデルです。wifiルータ事業はお客様からの予約が入ると海外に出発する前にご自宅へ送付し、帰国されたら空港で返却してもらうか、返送してもらいます。
この配送業務がPCR検査キットの手配に流用できたのです。あとは、PCR検査キットの予約サイトなどを構築するだけで事業は整いました。
このように、業務を変革する意味の流行り言葉で「DX」なんて呼ばれたりするのですが、飲食店にもDX化が必要になってきています。
具体的には、Uber Eatsに対応したり、テイクアウトの注文をネット予約してもらう環境を整えたりすることで改善する可能性もあります。
オーナーが1人で切り盛りしているお店からすると、手が回らないと感じるかもしれませんが、今こそ専門家の手を借りてチャレンジしてもいいかと思います。
私がホームページを作ることになったきっかけ
というのも、企業のIT管理を専門にしてきた私が飲食店のホームページを作るきっかけになったのは、行きつけの飲み屋さんがご多聞に漏れず集客に困っていて、「補助金を使ってホームページを作って集客したい」という相談を頂いたからです。
ホームページを作るのはいいけど、ただ単にホームページだけ作っても「針子の虎」になってしまうので、ポイントはそこからお客様が来てくれるように仕向けることだということを伝えました。
そこで、オーナーから言われたのは、「無料で簡単にお客さんが来る方法ってないの?」と。
さすがにそれはないですよね、と回答しながらも、ただ、無料という意味ではInstagramやFacebook、Twitterで情報を発信してお客様が来てくれるパターンはあるので試しにやってみますか?という提案をして、行きつけの飲み屋のオーナーはInstagramを頑張っているところです。
私自身、企業のITに関わる仕事をしていて「会社と自宅の往復が仕事」とさえ誤認するような生活だったのが、行きつけの飲み屋さんに「ホームページ作れる?」と声をかけてもらうことで、大げさに聞こえるかもしれませんが人生が一変しました。
こんなにも活躍できる場があったのかという驚きと、目の前の困っている人を助けるというと大袈裟ですが、少なくとも役に立っている実感があって、私自身も挑戦してみてよかったです。
こういう事例が増えるはず
自分語りが過ぎてしまいましたが、世の中の流れとしてはこういった、「会社員が業務のスキルを活かして社会に貢献する」という事例が増えていくはずです。
報道でも知っているかもしれませんが、新型感染症が流行する以前から会社員は会社員で苦境に立たされています。
年功序列で給料が上がっていく時代はとうの昔に終わってしまい、現在では定年は延長になるものの給料を払える体力がなく、従業員に副業を認める形で昇給が望めないという状況に陥ってしまっています。
「副業OK」って最先端の働き方に見えますが、ただ単に「会社はサポートしないので足りない給料は自分で稼いできてね」っていうメッセージを発信してるだけですからね。
そんな状況にとどめを刺すかのごとく、新型感染症問題が勃発しました。会社員としても、自分のスキルの発揮先を探しているのです。
結局のところ、助け合うしかない
コロナで飲食店の経営ルールが変わるとか、会社員も不安定だとか、それぞれの立場でいろんなことが起きてますが、自分自身で何ができるかを考えてみたら、お互いが力を合わせて乗り越えていくしかない気がしています。
飲食店の存在意義は食事を提供することと、食事を取れる場を提供することでした。今回は食事を取れる場を提供することができなくなってしまいましたが、食事を提供する先はなくなっていません。ただ届ける方法がありませんでした。
今ではUber Eatsを筆頭に飲食店の代わりに食事を運んでくれるサービスが生まれました。あとは、誰にどうやって注文してもらうかです。
まずはお店を知ってもらうための認知度を高めたりする必要があるのですが、それはSNSやホームページなどITサービスがカバーできます。
という流れで、これからどんどん路地裏の居酒屋さんのWeb集客をサポートするような人たちが出てくるはずです。私もWeb集客に挑戦してみようと少しでも感じたのであれば、いい人を探して色々相談に乗ってもらうのもいいですし、まずは自分自身でTwitterやInstagramで試行錯誤しながら発信するのもいいと思います。
課題を抱えているのに何もしないというのが一番問題なので、やるべきことが見つかったらとりあえず手を付けてみましょう。案外そこから解決の突破口が見つかるかもです。
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