ホームページ制作の仕事をしていると、もうすでに公開されている既存のホームページの一部修正依頼などの仕事も回ってくるようになります。
どうして回ってくるのか、作った制作会社と保守費用で揉めたのか、それともメンテナンスを行っていた人がいなくなったのか、お客様の事情はわかりませんが、作ってもらった会社とは別のところに依頼する場合も結構あります。
その際に、Webサーバのアクセス情報をもらって修正していくわけですが、まず自分のPCなどローカル環境に現在のデータをダウンロードする必要があります。
すでに公開されている本番環境に直接更新するわけにはいきませんからね。
一般的な手法としてはFTPという接続方法でWebサーバにアクセスしデータをダウンロードするわけですが、そのためにはFFFTPやFileZillaといったFTPクライアントソフトをPCにインストールして行う必要があって、またFTPはダウンロード速度が遅いなど結構面倒なんです。
というわけで、前置きが長くなりましたが、WebサーバのデータをあたかもWindowsの1つのフォルダとして利用する方法をここでご紹介いたします。
WebDAV接続のメリット・デメリット
これの何が便利かというと、すぐに思いつく理由が3つあって、
・フォルダ名が日本語だとダウンロードエラーになるなどFTPクライアント起因のトラブルが発生しない
・PC内のフォルダの1つとして表示されるため、アップロード・ダウンロードが簡単
・仕様上、FTP接続は通信速度が遅く、ダウンロードも時間がかかる
といったことが解決されます。
もちろんデメリットも下記の通りあるのですが、
・ダウンロードが30分を超えるとタイムアウトされる
・一度にダウンロードできるデータ量が50MBに制限される
この初期設定は変更することができるので、こちらも合わせてご紹介します。
WebDAV機能で接続する
WindowsPCではWebDAVという機能を使ってデータを送受信することができます。
方法は簡単で、「PC」フォルダを開いてなにもないところで右クリックを押し「ネットワークの場所を追加する」をクリックします。
表示の通り進めていき「インターネットまたはネットワークのアドレス」にWebDAVアクセス用のアドレスを入力します。(ロリポップだとhttps://lolipop-xxxxx.webdav-lolipop.jp/みたいな感じでした)
さらに進めると、WebDAVアカウントとパスワードを求められますので入力することで、「PC」フォルダ上にネットワークフォルダとして表示されます。
WebDAVの問題点と解決方法
Webサーバ上のデータが1つのフォルダとして認識されるので使い勝手がとてもよくなるのですが、先にも書いた通り仕様上の問題点が以下の2つあって、
・転送量が50MBまで
・通信時間が30分まで
という制限がかけられています。
この初期設定はレジストリを変更することで調整ができて、Windows10の場合、下記のとおりです。
※レジストリの設定を間違えると最悪の場合PCが起動しなくなることまでありえますので自己判断で進めてください。
データ転送の上限値を最大値にする
PC画面左下のWindowsアイコンを右クリック>「ファイル名を指定して実行」>名前欄に「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
画面左側から下記のレジストリサブキーを見つけてクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WebClient\Parameters
右側一覧から「FileSizeLimitInBytes」を右クリック>「修正」を選択します。
10進数を選択し、既定値の「50000000」を「4294967295」に変更して「OK」をクリックします。
(それでも最大値が約4Gbなので、これを超える場合はWebDAV以外の接続方法で対応するしかないです)
通信タイムアウト時間を長くする
同様にレジストリを開いて、画面左側から下記のレジストリサブキーを見つけてクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\MRxDAV\Parameters
右側一覧から「FsCtlRequestTimeoutInSec」を右クリック>「修正」を選択します。
10進数を選択し、既定値の30分「1800」(秒)を変更します。例えば1時間に変更したい場合は10進数で「3600」に変更して「OK」をクリックします。
PCを再起動することで変更が反映されます。
まとめ
これで、FTPクライアントソフトを使用せず、Webサーバに保存されているホームページのデータを簡単にダウンロード/アップロードすることができます。
ローカル環境で修正をして、変更内容に問題がないかクライアントに確認をしてから本番環境に反映させましょう。
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